酒蔵ストーリー |
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「北一」をきたいちと読む方もいらっしゃるが、本当の読み方は「ほくいち」と読みます。このブランド名は私どもの先々の第十九代黒田次郎右衛門が北陸で一番であれとの願いを込めて命名しました。後に、上級酒に「萬歳」の冠をのせ、萬歳北一となりました。
創業は明治20年高岡市六十歩の清都理兵衛(「横綱」)より嫁を迎え、酒造業を開始する。昭和30年に法人化し黒田酒造株式会社となる。以来、地に生まれる肴に合う地酒として親しまれています。
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私ども黒田酒造株式会社は米どころであり、庄川水系の地下水が豊富な 富山県小矢部市 にあります。この散居村で有名な砺波地区は元々酒造りが盛んで良質な酒米と水を利用して最盛期では多数の酒蔵がありましたが、残念ながら現在小矢部市内では唯一の酒蔵となってしまいました。
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「日本酒は、お米を発行させて造る醸造酒」です。しかしながらお米を等分に換え、そのに酵母を加えて発行させるという、きわめて巧妙で複雑な仕組みによって造られています。旨い酒を造る工程を杜氏は、「一麹、二もと、三造り」と呼んでいます。平たく言えば、こうじ(麹)で米のでんぷんを糖化させ、それを酵母(もと)の力で、アルコール発酵(造り)させたものといえるでしょうか。
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普通私たちが食べるお米は、玄米を92〜90%ぐらいに精米しますが、当社では、65%程度磨き、特定名称酒だと60−40%も磨き上げます。これは、良い日本酒造りの妨げになる外側のタンパク質や脂肪、灰分などを取り除き、中心部分のデンプンをより多く使おうとするために磨かれます。
酒造好適米と呼ばれる、お酒を造るのに適したお米をご存じでしょうか。当社では富山県特産の「五百万石」と呼ばれる酒造好適米を大吟醸や純米酒ではほぼ100%、普通酒でも約十五%近く使います。このお米は、米粒が大きい、タンパク質の含有量が少ない、水を吸いやすく糖化性がいいという特長があります。また心自率が高く、蒸し米を長く冷却しておいても、もろみの中で溶けやすいなど、まさに日本酒造りにぴったりのお米といえます。
さらに小矢部市内で米のプロに有機農法で契約栽培をお願いして出来た酒米「五百万石」を100%利用した酒もあります。
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日本酒造りには、水がとても大きな意味を持っています。洗米、仕込み、瓶詰め用と、原料米の重量の二十倍の水が必要とされますが、中でも仕込みに使う水、そして割水といって最後に加える水の質が重要です。これには醸造用水といって、庄川水系の地下水をくみ上げて使っています。醸造用水は、味、におい、濁りがないことは絶対条件ですが、こうじ菌や酵母菌の発育に必要なミネラル分が適度に含まれており、酒質劣化の原因となる鉄分やマンガン、有機物が少ないことなども大切な要件となっています。
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日本酒造りには多くの技術者が関わります。その技術者集団を酒造技能者(蔵人)と呼び、その長が杜氏 といわれる最高責任者です。 杜氏 は、リーダーとして酒造りの各過程の専門技術者たちを統率し、酒造りの全責任を負います。つまり、良いお米と良水を得て、最後は杜氏の技が日本酒の味を決定するというわけです。機械化を進める大手の蔵もありますが、利酒を行うと杜氏 が仕込んだ酒に勝るモノが出来ないのが現状です。特に大吟醸・吟醸・純米酒の分野ではその差が顕著に表れます。旨い酒を造るには人に技術が決め手です。
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精米・蒸し米 |
酒造りは、原料となる良質の玄米を精米し、蒸すことから始まります。蒸し米はこうじ造り、酒母、もろみの仕込みに使われます。 |
こうじ |
蒸し米に黄麹菌(もやし)を植えて室と呼ばれる部屋でこうじを造ります。こうじは酒母、もろみにいれて米のデンプンを糖化していく役割を果たします。 | |
酒母 |
酒母は蒸し米、水、こうじに酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもの。日本酒造りには文字どおり「酒の母」といえます。 | |
もろみ |
いよいよ、この酒母にこうじ、蒸し米、水を加えてもろみを仕込みます。ここで、日本酒造りの特徴である三段階に分けて仕込む段仕込みが行われます。一日目は初添え、翌日は仕込みはお休み。酵母はゆっくりと増えていきます。これを踊りと呼びます。三日目に二回目の仕込み(中添え)をし、四日目には三回目の仕込み(留添え)をして仕込みは完了します。 | |
搾り立て新酒 |
二十五日間(当社平均)ほどかけて発酵を終えたもろみは圧搾機(ふね)で搾られ、酒と酒粕に分離されます。当社の大吟醸の場合「首吊り」又は「袋つり」と呼ばれる機械的な圧力をかけず、自然に分離された酒の中程を採っています。 | |
製品 |
搾り立ての新酒をそのまま出荷したのが新酒、ろ過・火入れをへて貯蔵熟成した後出荷する酒があります。 |